#07 在宅医療機関は、地域の人たちが抱える様々な問題のソリューションを提供できます。
連載:在宅医療で培った医療資源を外来診療に活かし地域のかかりつけ医を目指す
2017.09.12
患者さんが地域に戻ってきた時に、一人でも安心して暮らせる体制づくりが必要です。
そのためには地域も努力し、病院とかかりつけ医の間での患者さんの情報共有などのコミュニケーションでも努力しなければなりません。
例えば、少し症状が良くなったから一旦退院してみる、症状が良くないからまた入院する、というように、フレキシブルに入退院の対応ができると良いと思います。
病院が十分な治療のために長期の入院をさせている間に、生活機能が低下していってしまい、その結果、退院しても地域に帰ってくることが難しくなってしまう患者さんも多いのです。
ですから、この地域で在宅医療を行うということは、患者さんを往診して、時には病院に入院させて、それで良かったでは済まされないのです。
その患者さんたちがもう一度社会生活を再開できる、或は社会生活からドロップアウトしないような取り組みが、初期対応も含めていろいろと必要だと考えます。
在宅医療機関は地域の人たちが抱える様々な問題のソリューションを提供できます。
在宅で養ってきたノウハウやシステム、体系を、様々な患者さんに対してどれだけフィードバックしていくかが大事だと思っています。その延長線が、かかりつけ医療だと思っています。
例えば、私がドライバーと一緒に訪問診療に行っていたのを無料送迎に切り替える。
医師の手が空いている時間を有効活用し、往診で寄り添い事業をする。
在宅医療で行っている皮膚科的なアプローチや整形外科的なアプローチを、外来診療でも試みてみる。
訪問リハビリのスタッフに外来リハビリも行えるようにしてみる。
在宅医療機関は、そのような人的資源や医療資源を有効活用することで、地域の人たちが抱える様々な問題のソリューションを提供できるのではないかと考えます。
人々が地域において社会生活を営むのに必要なアイテムを、必要とする人に必要なだけ提供することが求められていて、そのアイテムの一つに、訪問診療や訪問介護、外来診療、寄り添いがあると考えます。
これからも、そのようなアプローチを続けていこうと思っています。
坂本諒 法人役職