#06 病気にならないためにも、良い睡眠は必要です。

たかが睡眠、されど睡眠です。

あくまでも医学的なアプローチから良好な睡眠をとるための寝具の開発や、検査機器の補助具の開発などの監修を行っています。

待合室に置いてあるCPAP(シーパップ:経鼻的持続陽圧呼吸療法)のチューブをサポートするスタンド器具などもそれで、現在特許申請中です。

人の睡眠パターンは個人ごとに違うので一概にこれが良いということが難しい。世の中には睡眠関連の商品も数多くありますが、中には高価なだけのものとか、粗悪なものも出回っているように感じますし、時には逆に体に悪影響を及ぼすものもあるように思われます。

ですからあくまでもエビデンスに基づいた医療の裏付けのある商品が理想だと思います。本来であれば病院に掛からず未病の段階で解決できればそれが一番良いわけです。

病気にならないために良い睡眠は必要です。たかが睡眠、されど睡眠です。

例えば病院のベッドは睡眠にとって理想的なものといえるでしょうか。病院のベッドは快適な睡眠よりは衛生面や機能性が最重要視されているのではないでしょうか。

しっかり眠るということは体の細胞を修復するという作用があります。睡眠の本来の機能とはそういうものです。その視点から見れば病院の睡眠環境が治療の効果を最大限に引き出すという状態にあるとは言えないかもしれませんね。

心地良い睡眠環境こそが重要。

心身のケアで考えると、外見ではなく心地良い睡眠環境こそが重要です。

例えば最近では、仕事の疲れを取り翌日の仕事に最高のパフォーマンスを発揮するために快適な睡眠環境の整備に特化しているビジネスホテルなどもできてきています。実際にいくつかのホテルからの要請で睡眠環境作りのアドバイスも行ったりしています。

そのような意味では、病院も治療する場所ではありますが、これからは傷を癒すという観点から患者さんの睡眠環境にもこだわって良いのではないでしょうか。

スポーツ選手からの相談も多く頂きます。スポーツ選手の場合は時には治療も含みますがそれ以上に自身のパフォーマンスをマックスに持っていくための効果的な睡眠の取り方のアドバイスなどが多いです。

アジアでは有意な日本の睡眠医療

睡眠医療の専門施設が少ない現状を見れば、全国規模で専門クリニックを展開するという考えもあるでしょう。確かに施設というハードを作るのであればそれは簡単です。

しかし最も重要なのはスタッフも含めた優秀な人材をそろえるというソフトの部分です。それは決して易しいことではありません。

今はリズム新横浜の医療モデルをしっかりと温めながらより完成させたいと思っています。その先に、国内に限らず海外も視野に入れた次の展開があるかもしれません。求められる機会があればしっかりと応えていきたい気持ちはあります。

先ほども述べましたが、日本の睡眠医療のノウハウはアジア諸国において大きなアドバンテージを持っていると思います。医療に限らず事業としても大きな可能性を秘めているのではないでしょうか。

この記事の著者/編集者

白濱龍太郎 リズム新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック 院長

リズム新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長。筑波大学医学群医学類卒業。東京医科歯科大学病院、東京共済病院等での呼吸器専門外来、睡眠障害専門外来の臨床経験を生かし、睡眠専門クリニック院長、睡眠医療連携パス委員を歴任、千葉、静岡の総合病院内にて、睡眠センターを立ち上げる。 2013年、睡眠・呼吸の悩みを総合的に治療する医療機関、RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルクリニックを設立。丸八研究センター所長として、睡眠環境の提案等も行う。『ビジネスマンの睡眠コントロール術』(幻冬舎)等著書、講演多数。

この連載について

睡眠・呼吸器専門の第一線で活躍する専門医を擁し睡眠医療と在宅に取り組む。

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