#05 目指す医療を明確にし、クリニックの立ち位置を見失わずに努力することが大切です。
連載:睡眠・呼吸器専門の第一線で活躍する専門医を擁し睡眠医療と在宅に取り組む。
2017.11.03
睡眠医療という明確な軸を打ち出す。
なんといっても睡眠医療という軸が明確にある点が当クリニックの強みだと思います。
睡眠に関して検査から診療まで一貫して行える専門診療所として、各専門科目のドクターが患者さんを診ています。
それは例えば、睡眠障害でも不眠症、ひいては精神疾患に関係しているような患者さんにはその方面の専門医が診断を行いますし、レム睡眠行動障害の患者さんには神経内科の専門医が連携病院でMRIを撮って最終的な診断を行い、睡眠時無呼吸症候群であれば呼吸器内科の専門医が診断を行うというように、総合的に診断と治療を行えるということです。
さらに言えば、この分野に特化して診療を行える施設がまだまだ少ないということも一つの強みと言えます。
大規模病院と、地域で患者さんを診ておられるかかりつけ医の先生方の中間に位置して、双方の患者さんのために機能しているのが当クリニックの役割だとも思っています。
クリニックは専門機能が集結した「場」
現在軌道に乗っているとはいえ、クリニック経営は常に一番の悩みです。医院経営も一般の企業経営と同じで、ただ漫然と適切なことをしているだけでは経営維持するのは難しいと思います。
大事なことは自分が目指す医療を明確にして、自分の施設の立ち位置を見失わずに努力することだと考えます。そのための医療体制や経営のシステム作りも必要だと思います。自分の欲が先に立つと医院経営は難しいでしょう。
睡眠医療は、いろいろな専門領域に関わってきますので、各専門医を揃えなければなりません。
私はリズム新横浜の設立にあたって、まず睡眠医療に専門特化することを目指し、趣旨に賛同し勤務して頂ける専門医の先生方、施設や機器、資金を集めました。専門医の先生方はそれぞれ大病院で重鎮の方々でして、この点は非常に感謝しています。
目標を定め、そのために人脈を駆使して所謂「ヒト、モノ、カネ」を集めて形にしてゆく。それが苦にならない、むしろそれが好きな性格が良かったのかもしれませんね。
例えば一人のパーフェクトなドクターが全ての患者さんを診るとなると、それだけで他に何もできないでしょう。勉強する時間とか、専門施設としての運営などに時間を割くことが難しくなります。
専門医でありながら、経営者でもあるバランスを考えて、あくまでも「場」を作ることを最初からの目標にしていました。その意味ではこのクリニックは、睡眠医療施設の一つの在り方、ケースだと思っています。
そのせいか、最近では国内に限らず海外からも当クリニックの見学に多数の方が来られています。