#03 大学病院とは違った立場で、リウマチ・膠原病の治療を広める中心でありたい

心身ともに患者の健康を維持する

同クリニックのモットーのひとつに「心身ともに患者様の健康を維持すること」というものがある。これは、具体的にはどのようなことなのだろうか?

吉田氏:「リウマチや膠原病というのは、患者様の8~9割が女性です。ですから、たとえば、患者様の病状をご主人が理解してくれないということも多々あります。これは、患者様にとっては、大きな精神的不安となることでしょう。

そういう場合は、通院時にご主人に一緒に来ていただき、私たちから、ご主人にも理解してもらえるように丁寧に説明してさしあげます。

また、当センターはリウマチと膠原病の専門医を謳っているため、日本全国から患者様が来られます。しかし遠方からの患者様が、何度も何度も東京の世田谷まで来ていただくのは大きな負担となるでしょう。

そこで、そのような患者様には、近所にかかりつけの〝ホームドクター〟を持たれるようにお勧めします。その上で、ちょっとした治療などは、患者様が地元で受けられるように、その〝ホームドクター〟と情報を積極的にとり、連携できるようにしたりしています。  

つまり、患者様の治療に当たっての精神的な不安やわずらわしさを可能な限り取り除いてあげることによって、患者様の健康維持を少しでもお手伝い差し上げようという想いを表しています。」

三つのモチベーションリソース

これまで、院長として、患者はもちろん、職員のことも考えつつ医療環境の整備に取り組んできた吉田氏。そのモチベーションはどこからきているのだろうか。

吉田氏:「私のやり方は、はっきり言って収益につながりません(笑)。

お金持ちになりたいとか、大きな家、いい車が欲しいとか思っていたら、自分の開業は失敗例なのかもしれません(笑)。ただ、医師という仕事と、現在自分たちが提供している医療内容には誇りを持っています。

というのも、私たちの仕事は、常に進化している新しい医療を提供していかなければなりません。ですから、私は、医師という職業に必要なのは〝誠実さ〟と〝勉強をやめない学習意欲〟と思います。

私は、決して優秀な医学生ではありませんでしたが、医師となってから現在は、常に知識を新しいものに更新する努力は怠りませんし、その知識を患者様にきちんと提供している自負があります。

また、医師という職業は、常に新しい知識を持ち、きちんと患者様を診療していれば、患者様がしっかりと評価してくれるものと信じています。そして、現在の私にとっては、その評価こそが、生きる糧となっているように感じます。

もちろん、日常の診療業務は激務ですが、私には〝共感してくれるメンバー〟〝支えてくれる家族〟〝それを待ってくれている患者様〟がいます。この三つこそ、しんどいにも関わらずリウマチ・膠原病の診療を町のクリニックでやっているエネルギー源なのです」

リウマチ・膠原病治療の中心でありたい

設立以来、リウマチ専門医であり指導医・登録医として、リウマチの最新治療である生物学的製剤と最新の抗リウマチ薬などの的確な投与で多くの患者を寛解に導いてきた吉田院長。

施設も、完全バリアフリーや、生物学的製剤の治療専用の点滴ルームを設けるなど、患者がリラックスして治療が受けられるよう配慮されている。この現状は、ある部分、吉田院長が開設前に思い描いていた理想の医療施設が実現できているようにも思える。

吉田院長の今後の目標はどのようなものなのだろうか?

吉田氏:「これからも、リウマチ・膠原病を通じて、少しでも多くの患者様の治療をしていきたいと思っています。同時に、その患者様が安全に生活できる医療の仕組み、社会の仕組みを作っていきたい……。つまり、さらなる〝環境整備〟をしていければ、と考えているのです。

そのためには、当クリニックはリウマチ・膠原病を治療するための存在ですから、大学病院とは違った立場で、リウマチ・膠原病の治療を広める中心でありたいですね。

そして、地域社会の行政などを取り込み、健康な人には予防医学を広め、患者様には医療のハードルを限りなく低く、介護する人にはその負担を限りなく低くしていくことが患者様のためになるのであれば、それらを実現すべく、進んでいきたいのです。

併せて、当クリニックのような、最先端リウマチ膠原病診療と精度の高い補完代替医療がコラボレートした医療施設を全国に広め、作っていきたいですね。」

この記事の著者/編集者

坂本諒 法人 役職

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