【鄭 義弘】#01 患者さんの「不安」に寄り添い「安心したい」という思いに応える医療を常に心がける。

常に患者さんが何を望んでいるかを考える

海老名総合病院は神奈川県県央地域(海老名市、綾瀬市、座間市)の機関病院として急性期医療を担っている。

その間一貫して「仁愛」の精神を基本理念として保健・医療・介護事業に取り組んできたという。「仁愛とは人を思いやり慈しむ心を意味します。

私たちはそれをさらに発展させ、各人生命の尊重と人間愛に基づき、医の倫理をわきまえ、常に医療の向上に努め、何人にも公平な医療サービスを提供すること、と捉えて実践してきました。」と鄭義弘理事長は語る。

- 鄭理事長は医療法人の経営に携わりながらも、あくまでも医師としての診療現場を大切にされていると伺いました。まず最初に理事長の医師としての思いをお聞かせください -

鄭氏:私の専門は消化器内科ですが、最初は小児科医を目指していました。昔から子供が好きで小児科医になろうと思ったのが医師を目指した動機なのですが、臨床実習で重篤な症状を抱えている子供たちを診ることに心が痛みとても耐えられませんでした。

自分には小児科医は向かないのかと悩んだ結果、最終的に消化器内科の道に進みました。

理事長となった今でも、私を強く希望される外来や内視鏡検査の患者さんがいますので、診療の現場は大切にしています。

今まで長年にわたり医師として積んできたスキルは絶対に維持していきたいですし、将来現職を退いた時には、訪問診療や在宅医療で高齢者医療に携わりたいという思いも持っていますので、私としてはあくまでも一人の医師であり続けたいと思っています。

また、医師としての立場で経営を担うことが私に与えられた責務とも捉えています。

診療の現場では、所謂、全人的な医療と言いますが、一番大事なことは常に人を診ることだと思っています。常に患者さんが何を望んでいるのかを一番に考えるようにしています。

例えば、私は肝硬変の患者さんにお酒を止めさせるのが得意で、実際に多くの患者さんはお酒を止めてくれます。その時に大事なことは、患者さんを頭から否定するのでなく、まず相手を認めること。そこから入っていけば患者さんは心を開いてくれます。

また、3日前から発熱していている患者さんに、「何でもっと早く来なかったのか」と言うよりは、まず「3日間も随分我慢しましたね。」と言います。

あるいは不定愁訴と診断されてしまうような場合でも、時間をかけてしっかりと話を聞きます。患者さんが何を望んでいるのかが分かれば適切な検査も行えますし、診察結果に異常が無ければ患者さんは喜んで帰っていきます。

その場合でも、単に「異常はありませんでした。」ではなくて、「異常がなくて良かったですね。」と一緒に喜んであげれば、患者さんは心から納得してくれます。患者さんとの信頼関係が作れないとせっかくの診療も活かされません。

患者さんが病院に来る理由は、勿論病気を治して欲しいからですが、更に掘り下げれば「安心したい」から来るのです。ここを常に心掛けていることが私の診療のスタンスです。

若い研修医には常に、必ず患者さんの眼を見て、専門用語や難しい言葉ではなく患者さんにわかりやすい言葉ではっきりと話をしなさい。人生の先輩である目上の患者さんにはきちんと敬語を使いなさい、と言っています。

ただ、私が見る限りでは今の若い先生方の多くは、昔に比べればはるかにその点はよく解っていて現場でも十分に対応できているように感じます。

また、最近ではチーム医療におけるリーダーとしての医師の役割を自覚している若い医師も増えてきているように思います。

この記事の著者/編集者

坂本諒 法人 役職

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