【高橋 真理子】#01 普段星空を見上げることのない人たちにこそ届けたい。

病院がプラネタリウムとは

 星空工房アルリシャの代表で宙先案内人こと高橋真理子氏の、「普段星空を見上げることのない人たちにこそ届けたい」という思いから2014年にスタートした。

 驚くことに、このプロジェクトは、病院や施設側に負担をかけることなく一人でも多くの人たちに星空を届けたいという考えから、無償で提供されている。

資金は助成金や企業スポンサー、クラウドファンディングなどを駆使し、毎回の実施は高橋真理子氏とこの活動に賛同したボランティアのメンバーによって行われている。

 実施対象は、全国の病院や施設に長期入院している子どもたち、難病の方々、児童養護施設の子供達を最優先に考えているという。

 現在は、病院や施設だけでなく東日本や熊本の被災地や、看護師研修などにも力をいれて活動の範囲を広げている。

プラネタリウム番組「オーロラストーリー」

高橋真理子氏が、『いつかプラネタリウムをもって、病院や施設にいる人たちに見せることができたら』と思い始めたのは、高橋氏が山梨県立科学館の学芸員として、市民に愛されるプラネタリウムの運営に携わっていた2001年の頃だそうです。

その年に制作したプラネタリウム番組「オーロラストーリー」が全国から大きな反響を受け、感性や思いを共にできる人たちとの出会いがたくさんあったといいます。

「オーロラストーリー」とは、高橋氏がシナリオを書いた番組で、人生で最も大きな影響を受けた敬愛する写真家の星野道夫氏の人生を軸に、科学と神話の両面からオーロラの神秘と魅力にせまる物語です。

番組の中で星野道夫氏は、科学も神話も「私たちはどこから来て、どこへ向かうのか」という人間の根源的な問いに応えようとする人間の思考の表れだと語っています。

病院でプラネタリウムという発想

「オーロラストーリー」をきっかけとした出会いの中でも特に、社会福祉を専門としていた同年代の鳥海直美氏との出会いが大きな刺激となったそうです。

『人と向き合う福祉という仕事にありながら、常に宇宙という視点を持っていた彼女から、私が得たものは計り知れず大きい。彼女と仕事をする、つまり宇宙と福祉の接点は何だろうと考えていたときに思いついたのが、「いつか病院や施設でプラネタリウム」ということだった。』(高橋氏)

しかしそのころは、宇宙と福祉・医療という分野が本来的なところでどうつながるのか、同氏の中にはまだ明確には無かったそうです。

その後、2004年のプラネタリウム・ワークショップにはじまった「星の語り部」の活動、2006年に製作した番組「戦場に輝くベガ―約束の星を見上げて」、2007年の「星を見上げて、その想いを言葉にして、みんなで歌をつくろう」というプロジェクト「星つむぎの歌」などの活動から、「生き死に」を考えることと、宇宙を知ることの近さを学んだと高橋氏は語ります。

この記事の著者/編集者

坂本諒 法人 役職

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