#05 楽をしようと思わないで、真剣に取り組み、能力を最大限に発揮して働くことが基本

使命感をもって社会貢献することが大前提

自分が楽をして人びとに喜んでもらうことはできない。自分が苦労した分、努力した分だけ人びとが喜んでくれる。だから自分が努力するしかないと黒澤理事長は強調する。

職員には常に、最後に二者択一を迫られた時に、自分が楽をする道を選んだ結果、患者さんから叱られても庇う事はできないと厳しく言っている。

しかし、大変だけれども患者さんがこうして欲しいと思う道を選んで叱られた時は、必ず守ると言う。厳しさと温かさを峻別する経営者のあるべき姿がうかがわれる。

ヘルスパーククリニックを建設する際、今の収益で経営できる範囲内の借金しかしないと決心した。当時の病床数の収益で経営を維持できる資金繰りを考えたのである。

ともすると病院を倍にするのだから収益は増えるという安易な想像をしがちとなる。しかし、それでは結果的に医院経営に失敗する確率が高いと指摘する。

かりに病院が経営に失敗すると、まず一番に大迷惑を受けるのはその病院の患者さんである。病院で働くスタッフにも迷惑をかけてしまう。それだけな断じて避けねばならない。

地域医療に携わるものとして、患者さんに対して使命感をもって社会貢献するということを大前提として、発想していくことを何よりも大切にしている。
 

楽をせず能力を最大限に発揮して働くこと

「医師の中にはサラリーマンのような生活を望んで開業する人が増えています。

住まいは診療所と別にして、そこには夜は誰もいなくなり、急な患者様には携帯電話で指示したりする。それでも、うまくいけばそれでもよいのですが、経営が苦しくなってもそのようなスタイルで続けられるかどうか疑問です。

覚悟をもたないで中途半端に開業して失敗することが無いようにしなければならないでしょう。医業の隠れた廃業は少なくないのです。」

「これからは、患者様が気楽に診てもらえる家庭医の存在価値は大きい。しかも、10キロメートル先よりは隣にいたほうがよい。何でも診て、どのようなことも適切に判断し、専門医に送り届けていけるようにしていけばよいのです。

楽をしようと思わないで、真剣に取り組み、能力を最大限に発揮して働くことが基本です。

じつは勤務医で仕事ぶりが芳しく人は、開業してもなかなか成功することは難しいのです。

人びとがしてほしいと思っていることをさせてもらうという医業経営の原点を、しっかりと忘れないようにしなければならないと常に心掛けています。」

この記事の著者/編集者

坂本諒 法人 役職

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絶壁を背負った覚悟で開業し、 常にワンランク上を目指した結果がここにある。

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