#03 ドクター専用の長期所得補償保険とは

ドクター専用の長期所得補償保険とは

編集部:なるほど便利な保険ですね。他にも気を付けなければならないリスクはありますか?

成木:クリニックでは、ドクターが主役ですから、先生が毎日健康で勤務されることが必要ですが、やはり人間ですので、時には病気療養などの場面もあろうかと思います。

または不慮の事故などで、療養のため、いやおうなく休業ということも考えられます。そんな時には当然のことながら診療報酬が減ることとなり、最悪の場合には止まってしまうこともありますので、休業に備えた収入補償保険にもご加入されていると安心です。

ご存知のことと思いますが、地域の医師会には団体扱いの所得補償保険が用意されておりますので、そちらにご加入されることをお勧めしますが、商品特性として、休業後1年から2年までの所得補償となっており、それ以降も療養されている場合には補償がストップしてしまいます。

そこでお勧めしたいのが、ドクター専用の長期所得補償保険です。

この商品の場合には5年や10年といった長期の補償期間設定ができる他に、最長70歳までの所得補償を受けることもできますので、安心して療養に専念できます。

医師会の保険にプラスして上乗せとして加入することも、こちらだけ単独で加入することもできますので、医師会に加入されていないドクターでも補償を得ることができます。

竹田:今のお話しは損害保険の商品でしたが、生命保険でも長期の収入保障保険があります。

こちらは、三大疾病になった場合や、ある一定の身体障害状態、または特定の要介護状態になったことで、給付金の支給を受けることができます。

生命保険ですので、万一お亡くなりになられた場合にも、ご遺族に保険金として毎月の収入をお支払いしますので、このタイプも一度ご覧いただけますとよろしいかと思います。

成木:他には医療保険やがん保険も加入されていれば、治療費用の補填として心強いものです。個室でゆっくり療養したいと思っても差額ベッド代の負担は大きいですから。

また、先進医療に対応する特約も各社出ていますが、最高2000万円まで対応する商品もあり、この特約の保険料は月々100円前後位なため良く売れています。

編集部:なるほど色々な保険商品があるのですね。とても勉強になりました。

成木敬幸

医師賠償責任保険について

成木:次に施設である診療所に関するリスクとそれに対応する保険ですが、こちらは主に損害保険の分野となります。

ご自宅兼の戸建て開業と、駅前などのビル開業で多少内容が異なる場合もありますが、基本としては、建物の火災等のリスク、水漏れや電気や機械的な事故、診療所内での患者さんのケガや所有物の破損などの賠償事故などのリスクが一例として挙げられます。

編集部:例えば都心部で多いビル診の場合ではどうでしょう?

成木:はい、まず開業でビルの一室を賃貸借契約で借りる場合ですが、他人のビルに賃貸で入居し診療業務を行なうわけですので、クリニック側の過失や不慮の事故などで建物に損失を与え、賠償請求されることがあります。

具体的には火災の発生や、水道などの漏水で下の階にまで水が漏れたなどの事故が起きています。

これらには、火災を補償する借家人賠償保険などが対応しますが、特に事業者向けの火災保険商品ですと幾つもの必要な補償が得られるようになっており、建物の所有者からの賠償請求に対応する補償機能に加え、クリニックの内装、設備、機材などの損害を補填する機能もあります。

また、大型で高価な機材には、動産総合保険で対応すると良いでしょう。賠償責任保険にも加入することでも、より多くのリスクに対応することができます。

例えば施設賠償保険に加入していれば、クリニック内で床が濡れていたために、患者さんが転倒しケガをしてしまったようなケースでも、賠償請求された場合には保険で解決できます。

竹田:あとはクリニックでの診療行為に対するリスクも重要ですよね。ヒヤリ、ハットの医療ミスや事故を起こそうと思って起こす人はいませんが、絶対無いとは言い切れません。ドクターの診療行為で訴訟になることもあれば、看護師さんやスタッフさんが原因となることもあります。

編集部:それについては、医師向けの賠償保険があって、皆さん勤務医の時代から入っておられたり、病院が加入していたりということを聞いたことがあります。開業医だと何か変わるのでしょうか?

成木 :冒頭の会社員のご主人と、八百屋さんの店主であるご主人の話しにもどると、会社勤めのご主人は会社の一員としてご自身の業務を遂行されていますから、健全な注意義務は要求されていますが、何かトラブルが生じても企業として対応してきます。もちろん個人の責任を問われることもあるでしょうが、ある程度守られていますよね。

編集部:それは勤務医の先生も同じような感じですね。

成木:はい。ほとんどの病院が包括的に賠償責任保険に加入されているかと思います。その上でドクター個人も勤務医用の医師賠償責任保険に入っていらっしゃると思います。

これも開業された場合には、開業医用の医師賠償責任保険に変更されることをお勧めします。

開業医用ですとドクター個人の賠償だけでなく、クリニックに勤務する他のスタッフさんの賠償まで担保することができます。

賠償請求が看護師さんに対してのものであったとしても、管理者である院長先生にも責任が及んできますから、クリニック全体をカバーする補償内容に切り替えておく必要があるわけです。

編集部:なるほど良くわかりました。本日はありがとうございました。

資料を請求する

この記事の著者/編集者

坂本諒 法人 役職

開発中です

改行テスト

最新記事・ニュース

more

↓2000(画像の表示領域の2倍より大きい) ↓1320(画像の表示領域の2倍) ↓1280(画像の表示領域の2倍より少し小さい) ↓800(画…

大庭彩 1Picks

かかりつけ医とは、マラソンの伴走者のように、ゴールまで患者さんの人生に寄り添う存在 英:本日はよろしくお願いします。 西嶋先生は、かかりつけ医と…

坂本諒 1Picks