#02 逓減定期保険について
2018.03.27
逓減定期保険について
編集部:それではまず開業時に必要な保険について、リスクの中身なども交えてお話しいただけますか?
成木:最初の院長先生のお体に関するリスクですが、Tさんは普段どんなお話をされていますか。
竹田:私の場合は、まず初めにご家族構成やご自宅の持ち家状況などと、院長先生の人生設計や目標をお伺いし、それに、開業にあたっての事業に費やした資金や借入金、医療機器のリース内容、スタッフさんの人件費などを含めた当面の運転資金の金額などについて多少時間をかけてでも、お聞きするようにしています。
成木:やはり、先生個人やご家族を含めたライフサイクルの点検と医院経営という事業の基本的な内容確認ということですね。
編集部:院長先生のご家庭と、仕事場であるクリニックの事業主としての責任の重さや要素を洗い出すといえば良いのでしょうか?
竹田:保険を考えるにあたって最も大切なことは、院長先生がご自身で予想されるリスクに気付かれ、それを正しく認識することです。そうすれば私たち保険のプロがそれに最も適した解決策を具体的な保険商品としてご提案できます。
ですから、私の最初の仕事は先生の人生設計やご開業にあたっての事業計画を詳しくお聞きすることなのです。
成木:開業時にぜひお勧めしたい生命保険商品に、逓減定期保険というのがあります。
一般に大きな借入金を起こすというのは、住宅を購入するときですが、住宅ローンには団体信用生命保険、よく団信と言いますね、これが民間の住宅ローンには付帯していますので、借入人が亡くなられた場合には、住宅ローンは保険で清算され、残債が残らないため、住宅はご遺族に残すことができます。
中には、がんなどの三大疾病になっても保険が適用されるタイプまであります。
ところが、事業用融資の場合には、団体信用生命保険の付加ができないのが通常ですので、万一借入名義人である院長先生がお亡くなりになられたとしても、借入金は清算されないこととなります。
さらには職員さんの給与やクリニックの家賃、リースの支払いなど早急に解決しなければならない資金的課題の山積みとなってしまいます。
竹田:そんな時にとっても効果的な保険商品が、逓減定期保険といえますね。
借入金は金利と元金を合わせた形で返済をしていますが、万一の場合にはその時点での元金相当額を保険でカバーすれば良いわけで、それに適した保険が逓減定期保険です。
生命保険には「定期保険」「養老保険」「終身保険」と三種類の基本形がありますが、逓減定期保険はこのうち定期保険の一つです。
特長としては、保障が必要な期間だけ保険に加入し、貯蓄性を求めない保障重視のタイプであるため、他の保険種類と比べて保険料が割安となります。
また、ご加入時に設定した保険金額が毎年少しずつ減って行き、借入金の元金推移に合わせて保険設計を行なうことが可能ですので、万一の借入金対策という目的にぴったりの商品です。
成木:この保険商品を販売している保険会社は多数あり、煙草を吸わない方や、健康状態の良い方には保険料の割引制度があります。
また、運転免許証のゴールド割引を行なう保険会社まであります。お手頃な保険料で万一の場合の事業資金の返済リスクをカバーできますので、資金借入れをされている場合の必需品といっても良いでしょう。
保険金額を多めに設定しておけば、先ほどの職員さんの給与や当面の家賃、リースの支払いなどといった様々な資金対応もできてきますので、安心度は大変高くなります。