#04 『患者様の痛みはもちろん、きちんとその根本的な部分を治療する』が基本

口コミ、紹介による増患

今でこそ、順調に集患できているという同クリニックだが、開院当初は患者数がなかなか増えなかったという。

銅冶院長:「開院から二年で患者数が増えたのは、運がよかったからです。

私がこのクリニックを開院する前に、『自分で治せる!腰痛改善マニュアル』という運動療法に関する書籍を出していまして、当初は、その読者の方とかが来院してくれました。 

それで、その方々からの口コミや、たまたま運動療法がテレビに取り上げられる機会があり、それをキッカケに何度かテレビ出演や新聞・雑誌などに紹介されることになりました。

その後は、そういったものを見て来院してくださった方々の口コミや、他の医院からの紹介を中心に患者数が増えてきました。ホームページで運動療法に興味を持って、来院される方もおりますが、やはり多いのは口コミからの患者さんでしょうか。」

患者様が喜ぶより根本的な医療を提供する

病院より手軽な柔道整復師の競合で医院経営に影響を受けている整形外科もいるといわれる昨今。なぜ、同クリニックは口コミを中心に患者数を増やしているのだろうか。

銅冶院長:「まだ開院7年目ですし、それほど偉そうに語る気はありませんが、その上で、敢えて私の考えを言わせていただくとすれば、『やるべきことを、きちんとやる。』ということでしょうか。

当クリニックの場合で言えば、『患者様の痛みはもちろん、きちんとその根本的な部分を治療する』といことです。

私の考えの大本は『患者様に喜んでもらえる、よい医療を提供する』ということ。

業界的な状況や立地など、クリニックの経営にはさまざまな要素が絡み合いますが、患者様に喜んでもらえる医療の提供=『患者様にいかに貢献するか』ということが医療経営では一番大切なのではないでしょうか。」

医療の〝質〟を上げ続ける努力をすること

銅冶院長は、同クリニックの今後の展望をどのように考えているのだろうか。

銅冶院長:「分院を出したいとか、病院を大きくしたいというような、大それたことは考えていないですね(笑)。

これまでも、運動療法での治療を柱にしつつ、『外反母趾や偏平足、膝の痛みにより足の歩き方や立ち方が正しくないことが腰痛につながることがある』『足が悪いとリハビリに支障をきたす場合がある』と考え『足と靴の外来』を。

『腰痛には肥満が関わっていることがある』『膝の負担を軽くしたい』と考え『栄養療法』を。と、常に医療の質を上げる努力をしてまいりました。

ですから、今後も引き続き、『患者様に役立つ医療を提供する』という意味で、さらに〝質〟を上げていきたいですね。たとえば、従来の療法では症状の改善が芳しくなかった患者様の痛みを取る方法とか、多くの患者様に役立つものを、さらに増やしていきたいのです。」

●『足と靴の外来』とは

靴や足底板などの装具を用いて、外反母趾・偏平足・足首の痛みなど、足のトラブルから解放する治療。

  • 整形外科専門医が足の診断をして、靴や中敷の処方を出す。
  • 患者の足の型をとり、一人一人にあった靴や中敷(インソール)を作製する。

●特徴

  • 整形外科学会専門医である銅冶院長のもと、安全かつ効果的な靴作りを行う。(銅冶院長は、米国の国家資格である足装具士[ペドーシスト]の資格を取得した、日本で唯一の医師でもある)
  • 米国式足装具学(ペドーシクス)に基づき、足を生体力学的に評価。最適な靴や中敷(インソール)の形状および素材を決定する。
  • 靴の作製は、足専門の装具会社である、浅草の東京ペドーシックサービス株式会社の義肢装具士が行う。
  • 足の変形が強い場合、足に合っているかどうかを透明のチェックシューズで確認。

この記事の著者/編集者

坂本諒 法人 役職

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この連載について

「患者自身の自立」を促す運動療法で 「機能リハビリ」に力を入れる整形外科医

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