#03 自分に合わせた運動療法で腰痛が劇的に改善し、リハビリの重要性を実感する。

いかに目の前の患者様に本当に役立てるか

銅冶院長:「医療現場の医師にとって一番重要なのは、目の前にいる患者様に、いかに本当の意味で役に立てるかだと思います。

たとえば、『痛みを抑えてほしい』と言う患者様に対しても、『本当に痛みを取るだけでよいのか? 根本から治して方がよいのでは?』と考え、最初の段階で、再発予防までの話をしっかり説明する必要があります。

場合によっては、一時的に悪化したように感じる事もあるかもしれませんが、そういったことも含めきちんと説明した上で、その患者様に本当に適した運動を見つけていく。

時間も手間もかかりますが、それを端折ってはうまくいきません。最初の段階の説明をきちんと行えば、大抵の患者様は、納得して、疾患の根本が治るまでの治療努力を自発的に続けていただけます。

そして、そのように自発的になられた患者様でなければ、痛みの根本を治すことが難しくなります。」

『運動療法』との出会いは自身の腰痛が発端

ところで銅冶院長は、なぜ『リハビリに力を入れる整形外科医』を目指したのだろうか。

銅冶院長:「父が内科医、叔父が整形外科医ということもあり、自然に医学の世界に進んでいました。

そして、勉強を続ける中で外傷に興味を持ち、その外傷患者が多く来る整形外科を目指すようになりました。

そんな医学生時代に、じつは私自身が腰痛を経験したのです(笑)。それで病院に行ったのですが、痛み止めを処方されただけでした。薬を飲めば、痛みは引くのですが、何かのキッカケで、また腰痛が再発するという経験をしまして非常に困りました。

どうにか、その腰痛を根本的に治すことはできないのかと、いろいろな治療法を自分で探し、試してみました。そんな中で出会ったのが、現在、当クリニックの治療法の柱のひとつである『運動療法』でした。

自分に合わせた運動療法で腰痛が劇的に改善しまして、リハビリの重要性を実感したのです。

痛みが出た時に対処療法としての投薬、薬だけでは抑えられない場合の手術、もちろんそれらも重要な治療法なのですが、疾患様の根本治療に役立つ医療というものがあることに気付かされたのです。」

●『運動療法』とは

運動器リハビリテーションのひとつで、本来の運動機能を回復させることにより、患者の「自立」を手伝うための診療方法。

自己運動により、腰痛・肩こり・首の痛み・膝の痛み・肩の痛み・足首の痛みなど、全身の関節の痛みを取ることが可能といわれる。

その方法を要約すると、「姿勢と運動の検査により、患者の反応を見ながら、その患者に最も適したオーダーメードの運動療法を見つける」「運動療法や姿勢・動作指導を自宅などでしばらく実践するとともに、その反応により運動を調整する」というもので、「カラダの痛みは自分で治す」方法を患者が医師とともに探りつつ行うリハビリだ。

現在『お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック』を訪れる患者の6~7割が、この運動療法の治療を受けている。

●特徴

  • その場で効果が実感できることがあり、分かりやすい。
  • 自己運動で治療するので、毎日通院する必要がない。
  • 姿勢の指導と動作指導を重点的におこなうので、再発を予防できる。

この記事の著者/編集者

坂本諒 法人 役職

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「患者自身の自立」を促す運動療法で 「機能リハビリ」に力を入れる整形外科医

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